世の中には数多くの学問や習い事などがありますが、そもそも「どう生きていくか」について学ぶ機会は限られます。
不思議なことに、学校では勉強について一生懸命教えてくれますが、「生き方」についてはほとんど教えてくれません。
「どう生きるか」
自分の進む道を見つけるためには、まずは「世界」、そして何と言っても「自分」を知らなければ決めることはできません。
今回は、おすすめの自己啓発書は何かと聞かれたらまず1番に紹介したい「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう/トム・ラス(著)」について解説したいと思います。
1. 自分を知らなければ、歩むべき道は見つからない
私は約20年前、この名著(初版)に出会い、雷に打たれたような衝撃を覚えました。
それまでは、なんとなく目の前のことをそれなりに頑張って生きていたつもりでしたが、いかに自分が真剣に人生と向き合っていないかということを思い知らされました。
以来20年経った現在でも自己啓発本の第一線にあり続けるということ自体、この本が多くの人の心を揺さぶって来たことの証左と言えるでしょう。
本書では、 タイトルの通り自分の才能(強み)を知ることが、実りある人生のためにとても重要であるということを説いています。
以降この本に書いてあることを念頭に生きてきた私の経験から言うと、間違いなく真をついていると思います。
少しニュアンスは異なりますが、孫子の有名な言葉で「 敵を知り己を知れば百戦危うからず」というものもあります。
孫子は基本的に負けそうな勝負はするなという意味が大きいのですが、本書の主張になぞらえると、「この世界の仕組みを知るとともに、あなた自身(の才能や強み)を知れば、人生恐いものはない」と言えるのではないでしょうか。
灯台下暗し。自分自身と向き合い、強みや弱みをしっかり認識することが、実は勝利の鍵だったというわけです。
なんだか、わくわくしてきませんか?
2. あなたの人生を左右する「強み」の重要性
「才能」や「強み」などと言うと、「私はどうせ才能がないから」とか「私には強みがない」などと思う人もいるかもしれません。
ただ、本書で言うところの“強み”とは主に「性格や考え方」についてです。
共感性やポジティブ、未来志向や達成欲など“34の強み”を分類しており、その人が独自に持っている思考回路こそが才能と定義しています。
性格なんかが才能と言えるのか?と考えがちですが、 実はこの性格や思考パターンこそかけがえのない才能そのものなのです。
確かに、超一流のスポーツ選手のような高い身体能力、人並外れた明晰な頭脳、絶世の容姿などの才能に比べると、地味でつまらなく感じるかもしれません。
しかし、世の中の夢や目標は、大抵そういった「わかりやすい才能」ではなく、「それ」に対する強い気持ち、言い換えれと「好きかどうか」「自分の性格に合っているかどうか」によって成し遂げられる場合が多いのが実際のところです。
行動パターンと思考パターンに密接な関係があります。
例えば、「それ」が好きではないけれど、才能と我慢だけで、嫌々ながらもあきらめずに努力し続け、成功した人がいるでしょうか?
夢や目標には必ず困難が伴います。
しかし、どんな困難であっても、「その事自体が好き」「楽しむことができる」など自分の性格に合っていれば、努力を重ね続け、知識や技術、工夫などを駆使し、いつかは乗り越えることができるのです。
職業の選択に加え、「競争」も自由な現代において、あなたが人生をかけて成し得ようと思っていることが、あなたの性格や思考といった価値観とフィットしているかどうかは、その成否に大きな影響を持っていると言えるでしょう。
3. 強みの見つけ方と活用方法
それでは自分の「強み」の見つけ方についてですが、本書を購入した人はインターネットを利用した「ストレングスファインダー」という心理テストのようなもので、自分がどのような思考タイプなのか判定することが可能です。(特に傾向が合致している“強み”を5つ判定してくれます。)
かなり多くの質問に答えなければならない分、その精度は高く、判定された5つの思考パターンに対しては、どこか心あたりがある人も多いのではないでしょうか。
そうやって導き出した“強み”については、実際に「その強みを持つ人たちの声」を掲載することで、特徴を理解しやすいよう工夫されており、客観的に「自分の才能」を捉えることが可能となります。
本書を読み込むと、多くの思考パターン(強み)それぞれによいところと悪いところもあると気付くため、自分の弱点や強みはもちろん、他者の強みや弱みにも理解を深めることができます。
また、同時に、自分や周りの人たちを活躍させるにはどうすればいいかもわかってくるというわけです。
ココがポイント
大切なことは、自分の性格と向き合うことです。自分の思考パターンを意識すると、自分の得意なことや苦手なこと、やりたい事・やりたくない事を明確に認識できるので、仕事やプライベートにおいて、自分に合った無理のない「自分らしい生き方」を見つけることが可能となります。
なお、こういった自分の性格を診断し適職探しに役立てるコンテンツは転職サイトなどで無料で利用できるものもあります。
一例としてリクナビNEXT「グッドポイント診断」のリンクを用意しておきますので、興味がある方は、ぜひ試してみてください。
(※診断は無料ですが30分くらいかかりますので時間のある時にどうぞ。)
4. まとめ
- 自分の強み、思考パターンを知ることが自己啓発の第1歩であり、成功への近道
- 仕事やプライベートなど、ありとあらゆる場面において、自分の思考パターンを活用する
自分の強み(性格や思考パターン)を正確に認識するのは簡単ではありません。
得てして、「みんな自分と同じように思うだろう」と考えがちですし、確かに大抵のことにおいて、思考の個人差は小さい場合も多いですが、どんな人でも、その人独自の思考パターンがあり、好きなこと、嫌いなことが必ずあります。
そういった、自分の心の声を無視し続けることは非効率であり非合理です。
決して好きなことだけやるのではなく、あくまでも自分の性格や思考パターンを意識しながら、物事に取り組むことが大切なのです。